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日本のプロフェッショナル 高橋 寿克 |
これから伸びる人を採用

実務未経験者が多いというスタッフだが、どのような人材を高橋氏、そして事務所は求めているのだろうか。
「基本的に真剣に、本気で税理士になろうという方を採用しています。資格試験を目指す人の多くは、強い意志を持っていると思います。ただ、私自身がそんなに強い意志があってこの世界に入ったわけではありませんから、それ程強くは求めません。仕事をするわけですから、試験に関する意志だけでは困るわけです。挫折した経験があっても良いでしょうし、のんびりしているところがあっても良い。結果としてバランスが取れている人を採用していますね。言葉を変えるなら、ある程度のポテンシャルレベルとコミュニケーションスキルがある人です。社長さんやその奥さんと向き合って、その会社のことを好きになって仕事をしていかなければならないので、この2点が欠けている人だと仕事を行うことは難しいでしょうね。資格に関してはもちろん、無いよりはあった方がいいのですが、絶対条件ではありません。私たちは経験を買うのではなく、現状を見るのでもありません。これから伸びていきそうな人、これから頑張っていけるかもしれない、そういう人と一緒に伸びていきたいと考えているんです」
採用に関しても、「あなたと共に成長したい」という事務所のコンセプトを踏まえた上で行っているようだ。そうした一方で、税理士になりたいというスタッフには手厚いフォローを行っている。
「税理士を目指すスタッフには、一日も早く合格してほしいと考えています。私も明確な目標となる税理士像を持って勉強していたわけではありませんが、試験に合格して税理士になると、自然と責任感も生れますし、税理士としてやらなければならないことに対する意識も芽生えてきます。試験に合格して、実際に税理士にならないとわからないこともたくさんあります。だからこそ、一日も早く税理士になって欲しいんです。
そのために、税理士を目指して勉強される方がTAC等に通って学ぶための受講料については、条件はありますが、基本的に事務所で負担しています。そして試験直前にはある程度の時間を受験勉強に使えるように、6月~7月は仕事がハードにならないように工夫もしています。できるだけ受験に取り組みやすいように、直前には休暇も取りやすくするなど環境を整えているつもりです」
同様の理由から、大学院への通学についても、事務所としてのサポートを行うケースがあるという。
「できるだけ早く資格は取って欲しいのですが、同時に会計事務所は学校ではないということもお話ししておきたいですね。例えば簿記の勉強を始めたばかりの方が来て、すぐに仕事が出来るかといえば、それはかなり難しいと言わざるを得ません。私たちも含め会計事務所が新卒で社員を採用して、一から新入社員研修を行い、例えば電話の受け答えや話しの仕方、といった社会人の本当の基礎から教育して育てていけるかというと、そんな所はほとんどないと思います。そして会計事務所の実務に関しても、会計や税法の用語が解らないと、事務所内では会話にならないでしょう。仕事ですから中途半端な働き方は許されないのです。これは個人的な見解も入りますが、実務に就きたいと考えた場合、ある程度の勉強は進んでいないと難しいと思います。例えば税理士試験の2~3科目、仮に合格していないとしても一通りの内容は勉強していないと、スムーズに実務には入っていけないでしょうね。
それともう一つ。税理士になる、という目標がある以上、税理士にならないといけないわけです。いま、実務に就くことよりも、大切なのは税理士になることだと思います。例えば1年間、真剣に勉強に取り組んできたなら、そこで実務に就くべきか、それとももう1年受験に専念すべきかの判断はつくのではないでしようか」
多少の厳しい言葉もまた、挫折とそれを乗り越えて税理士になった高橋氏だからこそのアドバイスといえるだろう。


